膝の痛み
膝の痛み、原因は骨盤のずれ
捻った・転んだ等で引き起こされた靭帯や半月板等の損傷は除きます。
知らず知らずに感じるようになった、覚えのない膝の痛みは膝だけ診ていても治りません。
根本的な原因は骨盤のずれにある場合が圧倒的に多いからです。
骨盤がずれるとそれを受けるために股関節の軸がずれます。
股関節がずれるとそれに呼応するように膝関節がずれます。
すると膝関節内部のクリアランスが変化し、痛みが発生するのです。
もちろん、股関節内部のクリアランスも変化するので股関節に痛みが生じることもあります。
初期の段階であれば骨盤を整復するだけで膝に触らないでも膝の痛みを取ることが出来ます。
そのまま何もしないで生活していると、時間とともに膝関節の内部に変形が生じてきます。
これが変形性膝関節症と呼ばれるものの本態です。
しかし、膝の内部が変形していても心配いりません。
骨盤(仙腸関節)を整え、膝関節内の平衡を整えてあげれば多少の時間はかかりますが、多くのケースで痛みは消失します。
最初に、捻った・転んだで損傷したものは除くと書きましたが、これらも骨盤を整えておけば治りは早くなります。
膝の変形は熱変形
関節内部のクリアランスが変化すると関節の内圧も変化します。それにより関節内部に過剰な熱が発生することがあります。
圧力変化と熱の発生には密接な関わりがあるからです。
膝の変形はこの過剰な熱が関節内部に溜まることによるものです。言わば熱変形です。
一般に言われているように軟骨がすり合わされて削れるためではありません。
多くの医療機関では治療と称して膝を赤外線やマイクロウェーブで温めますがこれは逆効果で、変形を早めます。
氷で冷やすのが正しい処置です。
膝に溜まる水の話
膝関節に水が溜まることがあります。水とは言っていますが、これは関節液のことで、もともと関節内には無くてはならないものです。それが通常より増えてしまった状態のことを言うのです。
なぜ、関節液が増えるのか。これも関節内部に過剰な熱があるためです。
関節内の熱変形を防ぐため、身体が通常よりも粘度の低い関節液を大量に作り出し、冷却剤として使用するのです。
この関節液を注射器などで抜いてしまうと当然関節の変形は早まります。
氷で冷やすのがやはり正しい処置です。
膝の施術例
30代男性
1週間前から左膝に違和感を覚えるも、そのままにしておく。
朝、起きたら、その膝が倍ぐらいに腫れあがり、強い痛みもあった。
驚いてその日に来院。左骨盤と左膝の整復をおこなったところ、腫れが急速に治まり、痛みも引く。
その後、院内でアイシングを行い、自宅でも同様にすることを指導する。当日のうちに全く普通の状態にもどったとの報告あり。
60代女性
10年前に左膝に痛みを覚え、整形外科にて変形性膝関節症と診断。治療を受ける。
数ヶ月で痛みは消え、普通の生活をしていたが、ひと月前から再び同じところが痛む。
歩行さえ辛く、特に起床時は時間をかけてつかまり立ちをしなければならないほど。
同じ整形外科を受診するが、まったく改善しないため紹介で来院。
骨盤と左膝の整復を行う。その場で痛みがほぼ無くなる。
その後、2回お見えいただくが、痛みがまったく無いままなので経過観察に移る。
50代女性
5年ほど前から両膝に痛みを覚える。階段の上り下りが特に辛い。
高校生の頃からの腰痛もあるが、膝の痛みが我慢出来なくなって来院。
普段からきつめのサポーターを両膝にガッチリと装着しているとのこと。
左骨盤のゆるみと両膝を整復。3回目の来院時、腰痛はなくなって、膝もサポーターははずせたが、階段は痛むとのこと。
その状態がしばらく続く。2週間に1回、お通いいただき、加療を続ける。
腰の痛みも以前ほどではないが、出ることもあり、骨盤なかなか安定せず。膝にも軽い痛みが続く。
十数回目、パテラ(膝のお皿)の動きに違和感を覚え、整復を試みると階段での痛みが無くなる。
これは骨盤、膝関節に加えてパテラのずれが影響していた例。